生かされてるという事は 必ず死が約束されております。
生かされてるという事は
必ず死が約束されております。
昨年から特に呼吸の事に注目しておりますが
当たり前の中に隠れており、うまく伝えれないもどかしさがあります。
何故、呼吸なのか?
そういった背景をキャッチしていただければ幸いです。
合掌
振り返ると初診は1歳11か月の時。 経管栄養で育ち,口から食べたことがなかった。
口を使わないと,顔の表情筋が動かない。哺乳類は,哺乳することで口の周囲の顔面表情筋が発達する。だから哺乳できない爬虫類は無機的な顔となる。
そこで食べる訓練を始める。しかしU君は,どんなに食べる訓練をしても上手に食べることができないだろう。
でも,それをすることで,口唇や舌が動き出すと表情が出て来る。 これまで表情一つ浮かべることができなかった我が子が,笑みを浮かべ良い顔をすると,どんな親も笑顔になる。
そう!「笑顔は伝染する。」
自分の口で「おいしい」と言えなくても,この笑顔は”おいしい”と言うU君のサインなのですよ。それを心で聞いてあげてくださいと伝える。
より良い笑顔が出ることも,食べる訓練の成果なのである。
さて体調が悪くなる前の昨年10月に,U君の口の型を採った。
それが,この写真。石こうを流して,薄くて透明なマウスピースを作る。
これを入れると違和感があり,舌で触ろうとする。それだけで舌筋の訓練になる。また唾液も出て来ると,それを嚥下する訓練にもつながる。
これまでたくさん作ってきたが,装置は重度の子ども達ほどよく効く。
これを入れると口の動きが良くなった・・。食べるのが早くなった・・。表情が出るようになった・・と言って保護者から喜ばれる。
しかし,その分リスクも高い。 口の型を採る際に,嘔吐したら窒息する。咬反射が出たらトレーがはずせない。いずれにせよ重大事故につながる。
失敗したら,マスコミがさわぎ,翌日には全国で一番有名な歯科医師になりかねない。それなりの決心が必要だ。
だから何回から診せていただいて,呼吸のリズムや深さなどを熟知しタイミングをはかりながら行う。
この装置で,少しでも良い状態に・・と思ってきたのに残念このうえない。 合掌。