今子供たちに起こっている呼吸とは?知ってほしいこと②
歯並びや舌の位置が呼気抵抗になっているんですね。
だから血中のCO2を排出しきれない。その結果呼気中のCO2が低くなる。
これが全麻のように挿管している状況なら、呼気抵抗が少ないので血中のCO2の排出がスムーズなので呼気中のCO2は高くなります。
通常の呼吸生理の教科書はこの挿管状態をモデルにして記載されますが、口腔や鼻腔の状況による変化が加味されずに盲点になっている可能性があります。病的なモデルとしてあげられる換気障害は、喘息に代表される閉塞性換気障害がありますね。
この呼気抵抗が一時的なものであれば呼吸数を増やすことでCO2の排出を促進させますが、慢性化すると高CO2の状態に慣れてしまい、CO2センサーによるドライブが効きにくくなる。それにより呼吸数は増えず、それはO2の摂取も減らしてしまい、慢性的な低酸素に移行するということですね。
低酸素は身体の生理活動に直結しますので、慢性化した高CO2でCO2センサーを鈍らせてしまうことは、生理的閾値を低下させることになるのでしょうね。
さて、歯科臨床においても時折話題になる過換気症候群ですが、直接的には精神的動揺による呼吸数の増加が原因ではあります。それが大きな体調の変化に至る背景には、舌の位置由来の換気障害による慢性的な高CO2があるのではないかと、私なりにいろいろと考察しているところであります。