LDLコレステロールのチラシ裏メモ
・現在の背景(2017年)
LDLコレステロールが高すぎても問題ないという意見が脂質栄養学会で増えている。これは昨今の研究で高くても問題がなかったという発表が増えてきているためもある。正常なLDLコレステロールが増加しても動脈硬化を促進する泡沫細胞はつくられないことが証明されているためである。
また薬品関係では,動脈硬化学会と製薬会社が推奨しLDLコレステロールを低下させるスタチンという薬品が無秩序に売られている背景がある。(処方薬ランキング上位30製品中、3分の2をスタチンが占める)
このスタチンの場合,コレステロール降下剤はその副作用の方が問題視されている。ミトコンドリアの障害やビタミンKの代謝を阻害し様々な疾患を誘発させてしまう可能性がある。LDLコレステロールは低すぎる方が問題である。家族性の場合を除く。
しかしLDLコレステロールが高すぎる場合はもちろん注意が必要である。
・動脈硬化を促進させる誤解
泡沫細胞をつくって動脈硬化を促進させるのはLDLコレステロールと勘違いしやすいが「変性したLDLコレステロール」である。これは要は酸化したLDLコレステロールである。
・酸化LDLコレステロール
酸化LDLコレステロールとは、血中や組織にある正常なLDLコレステロールが活性酸素に攻撃され、酸化されたものである。これは宿主である私たちの不摂生な生活習慣や食事内容そして栄養不足などによって起こる現象である。
・LDLコレステロール最適化
マグネシウム
LDLコレステロール値を正常値へ移行するのに重要なミネラルは「マグネシウム」である。マグネシウムは、リポ蛋白リパーゼという酵素の活性に関わっているため、マグネシウム欠乏下ではリポタンパクの分解が正常に行われず、血液中に中性脂肪があふれかえってしまう。
マグネシウムはLCATという組織から肝臓へコレステロールを送り返す酵素を活性化させる。
マグネシウム欠乏下ではLCATが弱くなり、HDLコレステロール値が低下してしまう。
マグネシウムは高脂血症を改善する重要なミネラルなのです。
ナイアシン(ビタミンB3)
高すぎたLDLコレステロールを適正値までに下げる場合は、ナイアシン(ビタミンB3)が最も効果的。ナイアシン摂取により、過去の研究を平均すると、LDLは約30%も下がり、HDLは約35%上がります。さらに中性脂肪は最大55%減少するという傾向があるそうだ。
ビタミンC
ビタミンCは血中に過剰となったLDLを集める。
そして肝臓で胆汁酸に変換させる。
コレステロールを胆汁酸に正常に変換し、過剰コレステロールを適正量まで減少させることができる。ただし、このときの酵素は鉄に依存していますので、鉄不足の状態では困難な面もある。
胆汁酸は肝臓から胆のうへと送り込まれ、ここで胆汁となる。
胆汁は腸管循環というリサイクルシステムにより再び腸で吸収され、二次胆汁が生成される。
二次胆汁があると新しい胆汁の生成が促進されないため、再びLDLコレステロールが過剰になる可能性がある。
さらに、二次胆汁は腸内細菌により発がん性物質へと転換される。そこでは水溶性食物繊維の摂取が有効で,二次胆汁を排泄促進させることが可能となる
ビタミンE
ビタミンE濃度に比例して、酸化を防ぐことができます。
・まとめ
LDLコレステロールが問題なのではなく酸化した場合に問題になっていく。
LDLコレステロールが酸化し泡沫細胞を生成することで動脈硬化を促す。
その酸化を最適化するための各種ビタミンやミネラルの働き。